低温調理器具まとめ

低温調理器具とは

低温調理器具とは、食材を一定の温度で調理する器具のことです。”定”温調理器具と呼んでも良さそうなのですが、通常は100℃以上で調理するのに対し、低温調理では50℃から90℃くらいでの調理が多いために、こう呼ばれてるんだと思います。

似たものに、「スロークッカー」があります。弱い火力でゆっくり調理する点では低温調理と同じですが、スロークッカーではほとんどの場合温度設定ができません。温度設定の有無だけなら大した違いじゃないと思われるかもしれませんが、用途は大幅に違います。

  • スロークッカー:カレー、煮物など、時間をかけて調理すると味が染み、崩れにくいもの
  • 低温調理:ローストビーフ、コンフィなど、数℃の温度設定が出来を大きく左右するもの

ちなみに、低温調理器具は使い方次第で、スロークッカーの用途をカバーできます。

スロークッカーの例として、次のような商品があります。 

TWINBIRD コトコト煮込む スロークッカー EP-4717BR ブラウン EP-4717BR

TWINBIRD コトコト煮込む スロークッカー EP-4717BR ブラウン EP-4717BR

 

 

何ができるの?

低温調理器具を使うと、主に肉を絶妙な火加減で毎回同じように調理できます。

例えば、ローストビーフやコンフィ、鶏ハム、温泉卵などが失敗なく簡単に作れるようになります。

 肉や卵にはそれぞれ味や食感が変化する温度があり、それを超えた温度でずっと調理すると固くなってしまいます。ステーキを焼くときも、ちょうどよい焼き加減のところで火からおろしますよね。

普通調理するときは、加熱する時間を気をつけることで、最適な火の通り具合にしています。しかし、この時間は食材の大きさによって変わり、他の料理と同時進行していると簡単に忘れて火が通りすぎてしまいます。そこで、低温調理器具では温度を一定に保つことで、多少食材の大きさや調理時間が変化しても、一定の品質の料理を作れるようにしています。

ちなみに、食感や硬さの変化は肉に含まれるタンパク質の変性によってもたらされており、変性温度の異なるタンパク質のうちの一部だけを変性させることで、生とは違う火の通った食感にしつつ、固くなることを防いでいるようです。

どんな製品があるの?

 炊飯器ヨーグルトメーカー低温調理器具(既成品)低温調理器具(自作)
価格 ¥4,500~ ¥7,000~

$179

+日本への送料

部品代

¥10,000-

程度

手間 最適な「フタの開け方」を工夫しないといけない とくになし とくになし パーツを自分で組み立てないといけない
温度設定 「フタの開け方」次第

1℃単位

25℃〜65℃

0.01°単位

0.5℃単位

より細かくすることも可能

拡張性 なし なし スマホ連携

無限の拡張性

自分の工夫次第

その他  

出力が弱い

容量が小さい(1200ml)

 

 

 

 

 

 

 

anovaculinary.com

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  • 炊飯器:炊飯器の保温機能を利用して、中の温度を一定に保ち調理することが行われているようです。特に、甘酒作りなどに使われているようですが、甘酒より温度精度の細かい肉の低温調理では、蓋の開け具合によって温度調節をするのはかなり難しいと思います。
  • ヨーグルトメーカー:価格も安く、温度設定も低温調理に使われる温度帯のほとんどをカバーした優れものです。実際にヨーグルトメーカーで低温調理している記事もあります。ただ、出力が弱く、目標温度に達するまでに時間がかかるとも言われています。
  • 低温調理器具(既成品):既成品の低温調理器具は複数ありますが、現時点ではanovaが性能的に頭一つ抜けている気がします。細かい温度設定ができ、専用のスマホサイトからレシピをダウンロードすると、そのままanovaの設定にも反映されるようです。kickstartarにおいて$1.8Mを集めて製品化したようです。少々高い価格と、自作における無限の拡張性に目をつぶれば、一番いい選択肢ではないでしょうか。
  • 低温調理器具(自作):低温調理を行うような人は、自分でトライアルアンドエラーを繰り返し、よい物を手に入れたいという向上心の高い方が多いと考えています。低温調理器具を自作すれば、自分の工夫次第でいくらでも精度を上げたり、大型化したり、他のものと組み合わせたりできるので、時間とやる気のある方にはおすすめです。私は、低温調理器具でご飯を炊いてみたりもしました。

自作したい人は

自作したい方は、arduinoというマイコンボードを使って低温調理器具を自作する方法をまとめてありますので、ぜひ参考にしてみてください。自分で低温調理器具を作れば、その後機能を追加したり、もっと使いやすくしたりも自分ででき、無限の可能性があります。少しは試行錯誤と勉強が必要になりますが、できるだけ詳しくわかりやすくまとめてあります。

ryosaitoop3.hateblo.jp

家庭用の100V電源を使い、最大で12Aもの大電流を流すので、自己責任で自作していただくようお願いします。